SEPTEMBER, 2002

September 29, 2002

 長らくご無沙汰いたしました。

 長期間展覧会を休みましたので、

 休業をご存じなくご遠方よりおいでいただきました方には、深くお詫び申し上げます。

 10月1日(火)酒井一貴展(写真)より、秋のプログラムを開始しますので、ご来場いただきますよう、

 よろしくお願いいたします。

 さて、気がつくとすっかり秋めいており、恐るべき暑さの記憶もすでに遠いものになりつつあります。

 大旅行もせず、酷暑の京都において1日を半分休養/半分仕事するというめりはりのない2ヶ月でしたが、

 元気を養いつつ、再来年ぐらいまでの計画を少しづつ進めることができました。

 20代の頃、元気はあっても他の何もかもに乏しく、再来年の気配など自分の力で引き寄せることはできませんでしたが、

 年齢が重なるほど、毎日が前日の実現で、その繰り返しの果てに再来年まで現実があるのを知っていると感じるようになりました。

 子供の頃に読んだ本の中に「赤道おじさん」という人物がいました。

 赤道は海に浮いた幅1メートルの、たしか鉄製の道で、さびるから赤かったはずなのですが、

 赤道おじさんの仕事は、それがいつも光り輝いていいるように、来る日も来る日もブラシで磨き続ける、終わりのない孤独な仕事です。

 カンカン照りのときは大変だねと言われて、おじさんは、

 「嵐のときにピカピカでなければ人の役に立たないから今の内にせっせと磨く」というような返事をしたように思います。

 ときどき私は、赤道おじさんに勇気づけられ、「赤道」磨きと芸術の仕事は、イイ仕事だと再確認することがあります。

 赤道のようにえんえんと続く道をたぐり寄せながら、再来年になったらその次の再来年に手を伸ばそうとし、

 気がつくと、果てのない芸術とか社会の歴史のどこか小さい部分でもよいから磨いているというのは、

 なかなかイイ感じではないかと思うのです。

 今年はとくに暑かったせいか、赤道おじさんをよく思い浮かべました。

 しかし、10月になったら赤道磨きのようにシンプルな日々ではなくなるので、少し辛い気がしています。

 というが早いか、ただいま午前3時、やるべきことがここ数日にかたまってしまい、すでにこんな(徹夜)状況です。



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